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【クリニック監修】頭皮のかゆみ、主な3つの原因とその対策は?
このページの監修者のご紹介

医療法人翠奏会
Dクリニック大阪 メンズ(旧脇坂クリニック大阪)
事務長 安田 孝志(やすだ たかし)
経歴
髪に関する美容業界を経て、1999年にクリニックに入職。「AGAはお医者さんで治せる」ことがまだ世の中にあまり知られていない頃から発毛治療に事務長として携わってきた、日本における発毛治療の変遷を知るエキスパート。
関西において男性の発毛治療を行っているDクリニック大阪 メンズ(旧脇坂クリニック大阪)と、分院の女性専門クリニック・脇坂ウィメンズヘルスクリニック大阪の事務長として活躍中。新人指導や接遇改善、業務改善等に対しリーダーシップを発揮している。
頭皮のかゆみは、頭皮環境悪化のSOS?
頭皮のかゆみが止まらない。つらい症状です。
髪の毛が健やかに成長できるのは、頭皮の環境が整っていればこそ。
頭皮というのは、むき出しの皮膚と違って、状況のチェックがしづらいもの。かゆみがあってもそのまま見過ごしてしまいがちです。気が付かないうちに、ついついかきむしってしまい、さらにかゆみがエスカレートすることもあります。
頭皮の環境が悪化すると、当然ながら頭皮に生えている髪の毛にも悪影響が及びます。頭皮の血行なども悪くなり、髪の毛の正常な成長に欠かせないヘアサイクルが乱れて抜け毛につながることもあります。
頭皮のかゆみは頭皮環境悪化のシグナルであることもありますので、そのまま放置しないようにしましょう。
頭皮のかゆみは抜け毛のサイン?3つの原因をチェック!
頭皮のかゆみの原因は何でしょうか。かゆみが起きているということは、頭皮に何らかの異変が起きているということ。頭皮のかゆみ、考えられる主な原因について考えてみましょう。
頭皮の乾燥によるかゆみ
頭皮に限らず、皮脂が皮膚をバリアし、外側の刺激から守ってくれるため、皮膚には適度な皮脂による潤いが必要です。
頭皮が乾燥すると頭皮のバリア機能が低下し、ささいな刺激でもかゆみを感じてしまいます。
過剰な皮脂の分泌によるかゆみ
乾燥とは逆に、皮脂分泌が過剰でべたついた頭皮もかゆみが起きやすい状態です。
頭皮から分泌された皮脂は、マラセチア菌などの常在菌によって分解され、皮脂膜となって頭皮を守ったり髪の毛の艶を保ったりする役割を果たします。
しかし、皮脂分泌が過剰になってしまうと、今度は常在菌が増えすぎてしまい、炎症を起こしてかゆみの原因となることもあるのです。
ストレスによるかゆみ
実は、ストレスから頭皮にかゆみを生じることがあります。
強いストレスを受けると、思わず汗が吹き出してくることがあります。これは自律神経の乱れも一因しています。
ストレスで頭皮の皮脂分泌が過剰になったり、あるいは、ストレスによって、かゆみを起こさせる「ヒスタミン」という物質の分泌が増えてしまうことが原因です。
このように頭皮のかゆみの原因はさまざまに考えられます。
かきむしることで頭皮が傷つき、炎症などが起きてさらに頭皮環境が悪化すると、抜け毛のリスクも高まります。
デリケートな頭皮をかゆみから守ることは、抜け毛予防の観点からも大切なことです。
頭皮のかゆみを引き起こす乾燥にご注意
頭皮のかゆみの原因の1つ「乾燥」。
頭皮の乾燥は、なぜ引き起こされてしまうのでしょうか。その原因はいくつか考えられます
乾燥肌なのに、シャンプーでゴシゴシと頭皮を洗いすぎている
洗浄力の高いシャンプーを使って頭皮をゴシゴシ毎日洗いすぎていませんか。
先ほども述べた通り、適度な皮脂は頭皮を刺激から守るために必要ですが、シャンプーで洗いすぎると、必要な皮脂まで落としてしまい、頭皮の乾燥を招きます。
乾燥肌なのに、洗浄力の強すぎるシャンプーを使っている
ただでさえ乾燥肌の人が洗浄力の強いシャンプーを使っていると、頭皮はさらに乾燥してかゆみが増してしまいます。
たとえば、頭皮が乾燥している人は、頭皮のターンオーバーがうまく機能せずに角質が剥がれ落ちやすくなります。これが「フケ」です。フケが多いのは頭皮が汚れているからだと思い込んで、さらに洗浄力の強いシャンプーで洗ってしまい、頭皮がますます乾燥し、フケも大量発生してしまいます。
紫外線など外側からの頭皮への刺激
日焼けによる皮膚へのダメージは、頭皮も同じです。紫外線にさらされたり、あるいは夏場のエアコン、冬場の乾燥などの外気の環境によっても、頭皮は乾燥しやすくなります。
頭皮のかゆみと皮脂の過剰分泌
頭皮のかゆみのもう一つの原因が、乾燥とは対局にある皮脂の過剰分泌です。頭皮が乾燥しすぎてもかゆみが出る、皮脂が多すぎてもかゆみが出てしまうのです。皮脂分泌の過剰も、乾燥と似たような原因によってもたらされることが少なくありません。
脂性肌だからといって、シャンプーで頭皮をゴシゴシ洗いすぎてしまう
皮脂で頭がベタベタするからと、シャンプーでゴシゴシと洗いすぎてしまうと、皮脂を落としすぎて、頭皮が皮脂をさらに分泌してしまい、頭皮の皮脂が過剰になってしまうことがあります。
脂性肌なのに、洗浄力の弱いシャンプーを使っている
皮脂分泌の多い人が、洗浄力の弱いシャンプーで洗っていたり、頭皮の洗浄が十分でない場合などに、汚れが落としきれずに頭皮に皮脂が残ってしまうことがあります。
乾燥肌でも脂性肌でも、シャンプーは自分の肌質に合ったもので、程よく洗うことが大切です。過不足なく続けられるよう、きちんと選び、シャンプーのすすぎはしっかりとしましょう。
食生活など生活習慣の乱れ
脂っこい食事や不規則な食事なども、頭皮のベタつきの原因になる場合があります。
ファーストフードやジャンクフードばかりの食生活を送っていませんか?生活全体を見直して、頭皮だけでなく心身の健康を考えましょう。
頭皮のかゆみ、深刻な疾患の可能性も?
頭皮のかゆみが、実は皮膚疾患によるもの、という場合もあります。
- 尋常性乾癬
- 接触性皮膚炎(湿疹・かぶれなど)
- 蕁麻疹
- アドピー性皮膚炎
上記は日常的によくある皮膚疾患のほんの一例ですが、急に強いかゆみや発疹が出て、いつもと違う症状だと思ったら、早めに皮膚科を受診しましょう。
悪化して更なるストレスの原因になると、頭皮だけでなく、生活全体の質が下がってしまいます。
なにはともあれ、いずれの場合も「ただのかゆみ」と放置せずに、専門クリニックでしっかり治療することをお勧めします。
頭皮のかゆみを抑えるためにすべきこと
まずは、乾燥や皮脂の過剰分泌を防ぐこと。そのためには、自分の頭皮タイプに合った正しいシャンプーを使って、頭皮を優しく洗うことです。ゴシゴシと強くこすりすぎるのは禁物。皮脂を落としすぎるだけでなく、爪で頭皮を傷つけかねません。
頭皮を清潔に保ち、過度に紫外線を浴びすぎないなど、外側からの刺激にも気をつけるようにしましょう。
また、生活習慣の見直しも大切です。
しっかりと良質な睡眠を心がけて、ストレスを溜めすぎず、上手に発散させること。
栄養バランスのよい食事を取り、適度な運動をすること。
頭皮の健康と髪の毛の成長に大切なミネラルは、亜鉛やマンガン、鉄分などです。
食事だけで十分な栄養バランスが保てない場合には、サプリメントなどを活用するのもよいでしょう。
頭皮にかゆみを感じたら、頭皮環境の悪化が進む前に、誤ったケアをしていないか日頃の頭皮ケアを見直すとともに、上記のような生活の内容も考え直してみましょう。
頭皮のかゆみを治して健康な髪の毛を取り戻そう
頭皮のかゆみは、抜け毛につながる体からのSOS。
そのシグナルを見逃さずに早めのケアでかゆみを治し、健康な頭皮を取り戻しましょう。
頭皮もほかの部分の皮膚と同様、表皮の表面の角質層が剥がれ落ちては下から新しい角質層が押し出されるというターンオーバーを繰り返して、その皮膚のバリア機能を維持しています。
しかし、さまざまな原因でこのターンオーバーのサイクルが乱れると、大量のフケが発生したり、皮膚のバリア機能が低下して炎症を起こしたりしてしまうのです。
毛髪が健康に成長するためには、毛根部にある毛母細胞に十分な酸素や栄養が送られていくことが必要です。抜け毛を防いで健康な毛髪を維持するためにも、頭皮の炎症やターンオーバーの乱れはできるだけ早く改善させて、正常な頭皮環境と健やかな毛髪を取り戻しましょう。
頭皮にかゆみを感じたら、安易に自己判断をせず、皮膚科や毛髪専門クリニックを受診するなど、正しい治療を心がけてください。
Dクリニック大阪 メンズ(旧脇坂クリニック大阪)のサイトにも頭髪トラブルの治療についてまとめたページがあります。
<まとめ>
頭皮のかゆみは、頭皮からのSOSであることがおわかりいただけたでしょうか。
何事もなく健康な頭皮は、健やかな髪を育てます。健康な頭皮は、健康な毎日の生活の積み重ねから作られます。今日のシャンプーも食事も運動も、未来の自分の髪を作る大事なこと。
もしも「おかしいな」と思うようなことがあったら、その時はきちんと向き合って、必要なクリニックを受診しましょう。
頭皮とかゆみについてのコラムは以上です。
注:記事の内容は、効能効果または安全性を保証するものではありません。
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